研究会開催記録

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「第4回咳嗽研究会」

3: カプサイシン誘発咳嗽のメカニズム

○片山伸幸*、藤村政樹**、織部芳隆**、北俊之**、西辻雅**、野村智**、市川由加里*、原丈介***

  • * 国立金沢病院呼吸器科
  • ** 金沢大学医学部内科学第三
  • *** 石川県立中央病院呼吸器内科

カプサイシン誘発咳嗽の機序は不明であり、これを解明する目的にてモルモットの実験を実施した。

非感作モルモットおよび感作モルモットに抗原を吸入負荷し、その24時間後にカプサイシン(10-4 モル)を吸入して誘発咳嗽数を測定し、気管支肺胞洗浄液(BALF)を採取してサブスタンスP濃度を測定した。また、別のモルモットを用いて、抗原吸入24時間後のBALF中サブスタンスP濃度を測定した。カプサイシン誘発咳嗽数は感作群で有意に増加していたが、カプサイシン吸入後のBALFサブスタンスP濃度は、感作群と非感作群の間に全く差を認めなかった。しかし、抗原吸入24時間後のBALFサブスタンスP濃度は、感作群で有意に増加していた。したがって、カプサイシンは、C-線維を刺激して咳嗽を誘発するのではなく、A-線維を刺激して咳嗽を誘発すると考えられた。また、アレルギー性炎症はC-線維を刺激してサブスタンスPを遊離させ、これがA-線維の感受性を亢進させることが示唆された。

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