○内藤健晴1)、馬場 錬2)、斎藤正治1)、伊藤周史3)、堀部智子1)、吉岡哲志1)、名倉麻子1)、山川 聡4)
最近、本邦においても欧米のように肺に明らかな病変がなく慢性の咳嗽を来す患者を診察する機会が増えてきている趨勢にある。しかも、それらの原因は慢性気管支炎、咳喘息、咽頭アレルギー、アトピー咳嗽、好酸球性気管支炎、後鼻漏症候群、逆流性食道炎、カゼ症候群後遷延性咳嗽、薬剤誘発性咳嗽、レントゲン透過性気道異物、心因性咳嗽など多岐にわたり、取り扱う科も複数にまたがる。今回我々は耳鼻咽喉科を最近受診した慢性咳嗽に訴える患者の中で、興味ある経過を示した症例をいくつか紹介し、その原因疾患の診断について批判および意見を仰ぎたいと思う。