○倉島一喜1)、徳永大道1)、加藤貴子1)、青木 望1)、佐藤長人1)、松島秀和1)、生方幹夫1)、柳沢 勉1)、高柳 昇1)、杉田 裕1)、叶内 哲2)、星 俊子2)
(埼玉県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科1)、放射線科2))
慢性咳嗽をきたす患者の気道病変をHRCTにより比較検討する
慢性咳嗽にて当院を受診し、HRCTにて気道病変を観察しえた患者16名について検討した。内訳はatopic cough 6名、cough variant asthma 6名、 GERD2名、後鼻漏症候群2名であった。評価は病名を伏せたまま、放射線専門医が気道壁肥厚、気道狭窄、%low attenuation area, 胸膜病変、スリガラス影の有無について評価した。
咳の頻度や期間は疾患ごとに有意差はなかった。
cough variant asthmaでは程度の差はあったが全例に気道壁の肥厚がHRCTにて確認された。Atopic coughでは6名中1例をのぞき気道壁肥厚は認められなかった。GERD、後鼻漏症候群は少数例での検討ではあるが、気道壁肥厚は認められなかった。
cough variant asthmaでは可逆性はなく、喘息の症状も認められなかったが、CT所見では、有意な下気道の気道壁肥厚が認められた。これまでに報告されているように、同じ好酸球性気道炎症でもatopic cough とcough variant asthmaでは病変の場が異なることを指示する結果と思われる。