膵がんmRNA血液検査
膵がんに特徴的な遺伝子発現パターンかどうかを調べます
本検査では、本邦で初めて血液由来のmRNAを測定することによって膵がんの
診断補助を行う診断薬として薬事承認を受けた検査キット※を使用します。
※パンレグザ®(承認番号30400EZX00046000)
膵がん検査に新たな一手
膵がんについて
近年増え続けている膵臓の病気
特に膵がんは早期発見の重要性がますます大きくなっています。
≪症状≫*
膵臓は、がんが発生しても小さいうちは症状が出にくく、早期の発見は簡単ではありません。進行してくると、腹痛、食欲不振、腹部膨満感(おなかが張る感じ)、黄疸、腰や背中の痛みなどが起こります。その他、急に糖尿病が発症することや悪化することがあり、膵臓がんが見つかるきっかけになることもあります。ただし、これらの症状は膵臓がん以外の理由でも起こることがあります。また、膵臓がんであっても起こらないことがあります。
≪原因≫*
血縁のある家族に膵臓がんになった人がいること、糖尿病や慢性膵炎、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)にかかっていること、喫煙や飲酒、肥満などが膵臓がんを発生するリスクを高めることがわかっています。
≪検診≫**
膵がんは他のがんのように有効な検診方法が確立されていません。
また初期症状が現れにくいため早期発見が難しく、診断時には進行していることも少なくありません。しかし早期に発見ができれば予後が大きく改善できるため、早期診断が必要不可欠と言われています。
*国立がん研究センターがん情報サービス
**膵がん診療ガイドライン
本検査の特長
①国から承認を受けた体外診断用医薬品を使用した検査です
本検査で使用するパンレグザ®は「がん特異的な遺伝子発現パターン検出キット」として、本邦で初めて、製造販売承認(令和4年6月30日承認、承認番号30400EZX00046000)されました。
パンレグザ®はCA19-9と組み合わせて判定するキットです。
②新しい検査原理
膵がんに特異的に発現する全血中のメッセンジャーRNAをリアルタイムPCR法で解析します。
③感度・特異度およびステージ別の感度
パンレグザ®を用いた臨床性能試験の成績は、膵がん症例に対する感度は85.2%、健常人を対象とした特異度は93.2%、健常人に慢性膵炎、IPMN(膵管内乳頭粘液腫瘍)症例を非がん群として加えた特異度は86.7%でした。
従来の腫瘍マーカーでは検出が難しいステージⅠ・Ⅱの膵がんに対しても高い感度を示し、CA19-9が35.7%、本検査では78.6%でした※1・2。
●感度・特異度
●ステージ別の感度
※1 Sakai, Y. et al. Development of novel diagnostic system for pancreatic cancer, including early stages, measuring mRNA of whole blood cells:Cancer Science 2019;110(4):1364-1388.
※2 パンレグザ®添付文書